私たちの掲げるミッションは「子供達に本当の土を残す」です。このミッションに辿り着くまでには沢山の時間をかけました。INVITATIONの始まりは20年前に花屋の開業からです。そこで直面したのは花を楽しむ人の少なさでした。枯らすから、育て方が解らないから、そんな内容がほとんどでした。
植物のある生活は本当に楽しい、そんな世界に招待したいという気持ちで新しく設立したのがFLOWER STUDIO INVITATIONです。INVITATIONの目指すものは、生活に植物の楽しさを伝えることです。
なぜそれを目指すのかというと、花屋の時代から生産者を訪ねたり、花にとどまらず野菜の生産者や山林の関係者を多く訪ねていました。そこで見えたのは、農薬などの環境の問題、生産者や販売の経済的な問題、数え切れないほどの多くの問題でした。
それらの問題は私が解決できる問題ではありませんでしたが、自分に出来ることは何かと考えました。その答えが、ガーデンのデザインをすることで一人でも多くの人に直接植物の楽しさを伝えることです。
INVITATIONが庭を作るときに心がけることは、造り過ぎないことです。庭は作った時が完成ではありません。木や草が成長し、雑草も生え、石も汚れます。そんな時とともに変わりゆくためにも、造り過ぎないことが大切だと思っています。
もう一つは、ストレスをストレッチに変えることです。庭や外構がある以上、掃除や管理は必要になります。やらなければならないことはストレスになりやすいですが、そこに楽しさが入れば、固まった体をほぐすような感覚で、まるで体や脳のストレッチをするように庭と関われるのではないでしょうか。
私は今までの農業を否定も肯定もしていません。農薬を使うからこその価格もありますし、組合があるからこそ流通があります。そこに経済もあります。そのおかげで私たちは生活ができています。しかし、山のこと、土のこと、野菜のこと、花のこと、自然のこと、その全てにおいて今の大人たちは教育を受ける機会が少なく、知識に乏しいのも事実です。
その結果、枯らす怖さから花から遠ざかっているのも事実ではないかと思っています。